JMRCA 電動ツーリングカー全日本選手権 レポート

皆さん、こんにちは。

RC営業担当の坂本です。

毎週水曜日はRCカーの情報をお届けいたします。

全国的に猛暑日が続いておりますが、皆様はいかがお過ごしでしょうか? テレビでは毎日のように熱中症に関するニュースが放送され、体調面で危険をともなうこともしばしば……。アウトドアでRCを楽しむ際は、くれぐれも体調管理に気をつけて無理のないようにお楽しみいただければと思います。

さて、本日のブログは先月の'80年代オフロードカーブームの記事に続き、最近盛り上がりを見せつつあるビンテージシリーズのお話をお届けしようと思っていたのですが、そちらは次回に延期して、この週末7/20(金)~7/22(日)に開催された『JMRCA 1/10スケール電動ツーリングカー全日本選手権』に現地サポートのため出展しておりましたので、本日は大会の模様をお伝えしたいと思います。

国内における各カテゴリーのチャンピオンを決める最高峰の競技レースイベント“日本モデルラジオコントロールカー協会(JMRCA)”が主催する1/10スケールの電動ツーリングカー全日本選手権は、1996年のスタートから今年で22回目の開催となりました。今年の舞台は、長野県北佐久郡に位置する”しらかば2in1サーキット”です。

冬季シーズンはスキー場として利用される“しらかば2in1”ですが、冬季シーズン以外のこの時期は敷地内の駐車スペースをRC専用サーキットとして活用しています。スキー場として利用されることから、コースは標高の高い場所に位置しています。夏場のもっとも暑いこの時期においても日陰のスペースは30℃を下回り、湿度も低くて過ごしやすい環境です。避暑地として最高のRCフィールドともいえますね。

大会には全国各地から猛者が集結。今回の選手権では2クラスが設けられており、ブラシレスモーターの仕様ターン数が13.5Tに指定され、スピード領域に制限がかけられた“オープンクラス”と、スピード無制限の同カテゴリー最高峰となる“スーパーエキスパートクラス”が存在します。両クラスにのべ62名の参加者が集まり、3日間にわたって白熱したレースが行われました。


全日本選手権大会に位置づけられるイベントなので、当然参加者が使用するマシン、送信機、モーター、バッテリー、その他の機器についても純競技用の高性能なエキップメントがほとんど。各メーカーより性能を極限まで追求したマシンが僅差に凌ぎを削るタイムレースに臨みます。

京商もこのカテゴリーにおける悲願の優勝を目指し、現在発売されている最新型ハイエンドカーキット”TF7.7”を投入し、京商がサポートするドライバーと、ともにTF7.7で一緒に戦っていただけた一般参加者の皆さんたちによってすばらしいレースを展開してくれました。

No.30027 1/10スケール4WD 電動ツーリングカーキット TF7.7 ¥72,000(税別)

京商が発売する競技志向の4WD電動ツーリングカーは、”TF”シリーズとして長年リリースされてきました。時代を重ねるごとにマシンは少しずつアップグレードされ、現代のハイスピードシーンに対応するべく、各部にトレンドを盛り込んだ最強スペックこそが、このTF7.7となります。京商チームにて度重なる走行テストを重ねた最終形態でこの大会に臨みました。


電動ツーリングカーのレースでは、長年にわたって24mm幅のゴムタイヤが世界基準となっています。国内のみならず、世界各国でツーリングカー用のゴムタイヤが数多くリリースされており、それぞれ走行環境や気温によって適合するタイヤラインナップも無数に存在します。京商でもオフィシャルレースイベント“京商カップ”で指定となっている“KCスリックタイヤ”シリーズも24mm幅の仕様を採用しています。

近年のように、多くのメーカーから無数のタイヤラインナップが出揃うことでさまざまな特性のタイヤがチョイスでき、それを楽しむこともできるのですが、反面、例えばレースに参加する場合はどのタイヤがベストマッチなのか、走り込んでテストしなければなりません。でも、それは大変な作業です……。時間もかかりますし、何より多くのものをテストしようとなると、お金がとてもかかります。

ここ数年における全日本選手権においては、主催者側より使用可能なタイヤ、インナー、ホイルが指定されるようになり、大会時には受付時に支給されたタイヤセットのみ使用可能なルールへと変更されました。また、使える本数にも制限があり、決められたタイヤパッケージ、本数が全選手でイコールコンディションとなり、この部分でアドバンテージを得ることはできないようになっています。

上の写真は選手個人ごとに管理されたタイヤの受け取り、また、そのタイヤの一部整形作業や接着面の補正を行っている時のものです。ツーリングカーのレースの場合は、タイヤの表面にグリップ力を高める液体、通称“グリップ剤”と呼ばれる薬液を塗布し、タイヤ表面に化学変化を起こしてトラクションを高めるセットアップが主流となっていますが、このトラクション剤もさまざまなメーカーから数多く発売されており、このアイテムの種類によっても走行特性に差が出てしまうことがよくあります。

昨年まではグリップ剤についてはフリールールでしたが、今大会より指定されたメーカーのグリップ剤のみ使用可能となり、さらに違反行為ができないように本部からのタイヤの受け取り → マシンへの装着 → グリップ剤塗布 → グリップ剤の拭き取り → 走行車検後のタイヤ取り外し → タイヤを本部へ提出、という一連の流れにより、徹底管理が行われていました。「なぜ、そこまで行わなければならないのか?」と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、参加選手の内訳のなかで、チームに所属してタイヤに関するデータを多くもっている選手、また、地元の常連でコースを熟知している選手、遠方から大会短期間のみ走行する選手など、今回の参加選手62名はそれぞれ立場や環境が異なるのも事実です。ツーリングカーのセッティングを行ううえでもっとも重要といっても過言ではなく、また、負担の大きい“タイヤ管理”を完全イコールコンディション化することで、特に遠方から事前練習になかなか来ることができない選手から「出場しやすくなった」との声を現地でよく耳にしました。このような背景もあって、マシンの基本セッティングと操縦テクニック、パワーユニットのセットアップによるバトルは、近年になかった僅差のタイムレースのように思えました。

予選は5分間の周回レースを6回走行し、そのラウンドごとに1位から着順ごとにポイントが付けられます。自分の持ちポイントの高い有効3ラウンド分の合計ポイントによって、予選の最終結果が決定し、決勝レースのメイン分けが行われます。

京商チームはサポートドライバー、TF7.7で参加していただいた一般参加ユーザーの皆さんと隔たりなく一緒にピットを組み、3日間充実した時間のなかでレースに集中することができました。


大会前から現地に通い、積極的にテストを重ねてきたこともあって、京商チームはとてもよい仕上がりで本戦に臨むことができました。優勝こそできませんでしたが、両クラスのグランドファイナルトップ10に全4名が進出! オープンクラスでは総合2位に“川上 幸太”選手、同クラス4位に“村井 一磨”選手、9位に“袴田 美緒”選手が、スーパーエキスパートクラスの総合5位には“石岡 隼人”選手がそれぞれ入賞し、各強豪メーカーが出揃うなか、上位に進出できた点はマシンの高い性能を証明できたことだと実感しております。

全日本選手権なので会場にいる時間はレースに集中、かつ真剣に取り組んでいることがほとんど。しかし、こういった年に1回だけ同じ環境、同じマシンで選手権に参加することで情報共有やコミュニケーションの輪が広がり、地元以外のRCレーサーと知り合う最高のチャンスにもなります。今回、私は参加選手としてではなく、京商サポートとして現地入りしたのですが、京商ユーザーの皆さんのお手伝いをさせていただくなかで、個人的にもRC仲間が増えるよい機会にめぐり合えたので、現地に行って本当によかったと思います。

最後の写真は今回同じマシンで一緒に戦った京商の“仲間”との貴重な1枚。参加選手には京商のトレードマークである赤いTシャツを着用していただきました。きっと、暑い夏場のレースを戦い抜いた思い出に残る1枚になるでしょう。1名ほどXLサイズでも小さくて着れなかった方がいらっしゃいますが(笑)


本日のブログはRC営業担当の坂本でした。

最後までお付き合い頂きありがとうございました。

KYOSHO RC BLOG

京商株式会社RCオフィシャルブログです。これまで皆様に閲覧いただいておりました「R/C CAR BLOG」、「SEA & SKY BLOG」、「MINI-Z開発室ブログ」の3つのブログを統合しました。引き続き、製品情報や開発情報、イベント情報などをお届けして参りますので、どうぞ暖かい目でよろしくお願いします。

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