ボールデフの話

皆さん、こんにちは。

ミニッツ開発担当の岩崎です。毎週月曜日はミニッツの話題をお届けしています。

本日は“ボールデフ”のお話です。

ボールデフとは、ミニッツレーサー用に設定されているオプションパーツで、標準のギヤデフに変えて使用するパーツです。

こちらが標準のギヤデフです。

クルマがコーナリングする際に発生する左右の回転差を吸収して曲がりやすくしているパーツです。すべてのミニッツレーサーに標準装備されています(AWDは形状が異なります)。

そして、冒頭の写真がオプションのボールデフになります。ブルーアルマイトされたアルミのパーツがついていて、いかにもスゴそうに見えますよね。

このパーツはギヤデフの良さはそのままに、プレッシャープレート(銀色のリングです)と内部に存在するボールの抵抗を利用して、いわゆるLSD効果を発揮させるパーツです。

LSDとはLimited slip differential の頭文字を取ったもので、日本語にするとデフ作動制限という意味になります。ギヤデフの場合、通常走行であれば曲がりやすさを体感できますが、ハイパワーなモーターを搭載した場合や車速が上がり、コーナリング時に内輪の駆動力が抜けやすい場面になった際(リアタイヤがリフト気味になった場合など)に、そのタイヤ側に駆動力がかかってしまいトラクション(クルマを前に進める力)が弱くなります。

その時に、その“作動”を制限して反対側のタイヤに駆動力をかけてトラクションを発揮できるようにしたのがLSDです。このLSDと同等の効果をもたらしてくれるのが、ボールデフになります。このパーツを装着し、適正にセッティングすることで、コーナー進入時の安定性と脱出時のトラクションが劇的に改善されます。

そんな夢のようなパーツですが、最近よく聞かれるのが「調整方法がよくわからない」、「どれぐらい締め込んでいいかが難しい」というものです。

その質問の多くは毎月R246サーキットで開催しているビギナーズデイにおいてですが、確かにビギナーの方には簡単ではないのも事実かと思います。そこで、今回はその調整方法をご紹介いたします。

車体に装着を済ませたボールデフを調整します。

まず、片方のタイヤを回して反対側のタイヤが逆方向に“スルスル”と回るか確認します。この時、スパーギヤを指で押さえてください(特にブラシレスモーター搭載車両)。左手でスパーを押さえて、右手で左リアタイヤを回すのがいいかもしれません。

この“スルスル”というのが重要で、この時点で何か引っかかりやゴリゴリする感じがする場合はNGです。*新品をご購入いただき、調整前であれば上記症状はありません。

スルスル動く状態で、ボールデフセットに同梱されるセッティングツール(シルバーの細いL字型のシャフト)を下記のようにセットします。この状態で、ツールが回転しないよう固定しながら左リアタイヤを左に回します。こうすることで、ツールで押さえている青いナットが締め込まれていきます。

まずは、1/8回転(45度)くらいから調整してみてください。

いったん締め込んだら、再び最初の要領でスルスルに回るか確認してください。ここでもし、ちょっとでもゴリゴリ感がある場合は締め過ぎですが、これも新品状態で1/8回転程度であれば、そのような状態にはなりませんのでご安心を。

次に、“効き”の確認です。

下記のようにスパーギヤと右リアタイヤを同時に押さえて、左リアタイヤを進行方向に回します。この時に、簡単に回ってしまうようであれば、まだ緩い(締め込みが足りない)状態です。ある程度の力をかけても回らないぐらいまで、上記の作業を繰り返して調整を行います。

理想としてはスルスル回って、ロック率も高い状態ですが、ここで重要になるのは必ずスルスル回るということです。

今回は、若干文章量が多く説明的になってしまいましたが、いかがでしたか?

上記セッティング方法は一般的なボールデフの調整になります。最終的には自分が走りやすいセットが一番です。他のセッティングパーツと同じで、一度極端に振ってみる(締め込み過ぎと緩すぎを試してみる)と、その効果と自分がどっち方向(効き強め or 弱め)が好みかがわかると思います。少し緩めが走りやすい場合もありますので、いろいろと試してみるとおもしろいですよ。

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