皆さんこんにちは!京商SS開発担当の浜崎です。
前回までは当時モノのファントムExtのレストアについてご紹介しました。そしてそして、先日の静岡ホビーショーでついに復刻版ファントムExtが発表されました!
当時モノのレストアはその伏線だったんですね~。(けっこう引っ張りましたが)もちろん、自分の楽しみのため・・・じゃなく当時の仕様を勉強するためのレストアでもありました。すでに京商HPでも製品紹介ページがアップされていますのでこちらもご覧ください。
復刻版に期待していただいている方に、気になる当時モノや復刻版初代ファントムEPとの違いを簡単にご紹介します。
上の写真、右がレストアした当時モノ、左が復刻版です。
まず、目につくのは高精度な仕上がりの前後マウントやデッキポスト、ナックル。光ってますね~。
これらは初代復刻版同様にアルミ削り出しになっています。
当時はマグネシウムの鋳造品に塗装仕上げという今では安全上の問題で製品化が難しい代物でした。取付寸法は当時モノと同じ。ただし、モーター搭載位置は当時オプションだったアルミマウントと同じ位置まで下げて低重心化されています。
シャシー、フロントプレート、アッパーデッキも当時プレス成型だった物がカッティングで綺麗に加工されています。(レストアで苦労した部分ですね。)
メインシャシーとフロントプレートはサーボとESC搭載のための穴加工と、それに伴う形状変更が施されています。
そして、ステアリングサーボマウントを新設計し、現在販売されている1/12用のミニサーボがしっかりと固定できるようにアジャスタブルになっています。
ダイレクトマウント用のケースを使っているサーボはアルミマウントを使わずに固定できます。さらにサンワ製のサーボは特に小さいので専用のダイレクトマウント穴を設けました。ステアリング周りでもう一つ、サーボセイバーも新規金型でダイレクトタイプを作りました。
ちょっと見づらいかもしれませんがスペースとアッカーマンの量など、意外とこの部分が形状と構造的に難しかった部分です。
アッカーマンとはステアリングを切った時の左右タイヤの舵角の差で、通常は内側のタイヤが切れ角が大きくなる様にします。この部分が性能上非常に重要で、ファントム独特のワンウェイベアリングを使ったパートタイム4WD方式では、コーナリング中は内輪差により内側のタイヤに先に駆動が掛かるので、その舵角が少ないとアンダーステア傾向が強くなってしまうのです。この辺の詳しい事は別の機会に。
フロントスプロケットもレストアで経験した部分を活かして構造と形状を変更し新しくしました。
この変更により、当時モノに無改造で使用可能になります。もちろん復刻版の初代にも使用可能ですが、性能上は同じです。
フロント右側の超短いスイングシャフトもきちんと再現しています。
これは当時モノにも使えます。復刻版のスプロケットとの併用がお勧めです。左の長いシャフトは初代と共通でもちろん当時モノに使用可能です。
そしてExtの外観上の最大の特徴であるリヤダンパー。これは当時モノと同じ長さですので、互換性が有ります。ダンパーケースを大径化してシャフトを細くする事でストローク時の容積変化を抑えてしっかりと減衰力を得られます。
ダンパーを取り付けるアルミ製のダンパーボールには、当時モノと同じスチールアンテナを付ける事が出来ます。今は2.4GHzの受信機を使う事が多く、ピアノ線アンテナは見かけなくなりましたが、これは当時の雰囲気を再現すると同時に、転倒時に一役買う事があるかも?
そして当時の流行だった軽量化を再現した軽量ホイールナット。
写真右がExt標準装備の軽量ナットです。性能面での効果と言うよりは懐かしのドレスアップパーツ(摩擦による緩み止め効果も若干あるかも)ですね。当時はとにかく軽量化に拘った仕様でしたので、その雰囲気を味わっていただけたらと思います。
ナックルも若干デザイン変更し軽量化しています。
こんな感じです。
そして、復刻版初代ファントムとの共通パーツは、
フロント上下サスアーム、デフ、ピニオンギヤ、リヤシャフト、前後ホイールハブ、ホイール、タイヤ、ボディマウント、チェーン、それとバンパーなどのプラパーツです。(細かな部分は割愛します)似ている様で実は主要部品は新設計というのがExtです。パーツを集めて初代をExtにバージョンアップしようと考えている方もいらっしゃると思いますが、当時オプティマプロを無謀にもパーツを集めてミッドにバージョンアップした私としては、素直にキットを購入していただくのが一番だと思います。(当時とても後悔しました・・・。)
さて、話しは変わりますが、先日テストしていて気になったことが有りました。サーキット走行していたお客様のファントムがバッテリーのバランスコネクターを引きずって走っていました。幸いすぐにピットインして直していたので事なきを得ましたが、これは結構危ない状況で、バランスコネクターは小さいですが、バッテリーの電流が直接流れる部分ですので注意が必要です。2セルのLiPoバッテリーのバランスコネクターは3ピンになっています。このピンのいずれか2か所がショートすると、バッテリー本体に過大な電流が流れて最悪の場合発火します。走行中にバランスコネクターが宙ぶらりんにならない様にしっかりとグラステープやバッテリーバンドなどで固定してください。
コードを引っ張り過ぎない様に注意しましょう。これなら充電も出来ますしファントムのボディ内側へのコードの接触も防げますね。LiPoバッテリーの取り扱いには十分注意してくださいね。
ファントムExtは発売までもう少し時間が掛かりますが、現在開発は大詰めの段階です!
是非お楽しみにお待ちください!
では。
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