皆さん、こんにちは。
RC開発担当の古屋です。
毎週水曜日はRCカーの話題をお届けいたします。
前回、アウトローランページのダイナミックな走りを紹介をさせていただきましたが、今回はデフのセッティング&メンテナンスをお届けいたします。
さっそくですが、アウトローランページはフロントがダブルウイッシュボーンサスペンションに対して、リアはソリッドアクスルですから、コーナリングでロールする時にリアタイヤの内側のタイヤが浮きやすく、デフが柔らかいと内側のタイヤが空転し、コーナリングで失速してしまいます。
デフを硬くすると小回りが利き難くなり、グリップ力が低いオフロードではコーナリングである速度を超えると一気にスピンしてしまいます。 そこで、路面や自分好みのドライブフィーリングにするために、デフを適度な硬さに調整することで自分好みのフィーリングに近づけることができます。
デフの調整は少し(かなり?)めんどうな作業が伴います。
ギヤボックスをいったん外し、中からデフを外し、さらにデフの中に注入されているオイルを違う硬さのものに入れ替えて、また再び元通りに組み立てます。
シリコンオイルはものすごくたくさんの種類を販売しています。写真はほんの一部です。
アウトローランページは工場出荷時に#2000のシリコンオイルが注入されています。 デフ用としては柔らかめのシリコンオイルです。
詳しくは、次のHPをご参照ください。http://rc.kyosho.com/ja/accessory/siliconeoil.html
シリコンオイルは数字が大きいほど硬いです。KYOSHOで売られている中で一番硬いのは#1,000,000(百万番)です。
かぶせた歯が取れてしまいそうな硬い水飴みたいなオイルです。百万番はデフロックに近いフィーリングにできます。
手始めにノーマルと明らかに違いを体感できる10万番くらいから試していただくことをお勧めします。
できれば、模型屋やホームセンターなどで入手できるモリブデン系のグリスを一緒にご準備ください。
では、さっそくギヤボックスを外しましょう。
リアタイヤを外します。そして、ソリッドアクスルとリンクサスを繋いでいるビスを外します。(左右)
アッパーリンクサスとギヤボックスを繋いでいるビスを外します。
ギヤボックスが外れました。
六角ハブと2×11mmピンを外します。
ギヤボックスを分解します。
写真の黄色い印のビス5本を外します。
ギヤボックスが真っ二つに別れ、デフギヤを取り出すことができます。
さらに、デフを止めているビス4本を外します。中に#2000のシリコンオイルが注入されています。
これを市販の洗浄スプレー(実車のブレーキクリーナーなど)でよく洗浄し、乾かしてください。
(写真は洗浄後)
モリブデングリスを注入します。
ビス止めせずにデフを閉じて注入したモリブデングリスをデフギヤに馴染ませます。
こんな感じです。
シリコンオイルは油に比べて温度変化による硬さの変化が少ないため、硬さが安定しています。しかし、潤滑性が悪いため、金属ギヤの摩耗を抑えるためにはモリブデングリスの併用がベストです。
そして、好みのシリコンオイルを注入します。
八分目くらいの量を注入します。
※入れ過ぎるとオイルの逃げ場がなくなり、デフがロックしてしまいます。
外した4本のビスを締め込めば元通りになります。
ギヤボックスを再組み立てする前に、実際のデフの硬さを確認します。
デフアクスルにタイヤを取り付けます。
こんな感じです。
デフをしっかり持ってタイヤを回します。これで、実際のデフの硬さがわかります。
アウトローランページはタイヤの直径が大きい(108mm)ため、硬めにしたつもりでも再組み立てすると思いのほか柔らかく感じると思いますので、この方法で硬さを確認してから再組み立てすると“こんなはずでは……”が回避できます。
次回は、デフの硬さ違いによるフィーリングの比較を試してみたいと思います。
お楽しみに!
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