皆さん、こんにちは。
RC営業担当の坂本です。
毎週水曜日はRCカーの話題をお届けいたします。
さて、遡る6月の当ブログにて”80年代 電動オフロードカーブームを振り返る”と題した記事をご紹介させていただきました。
この当時、RC電動オフロードカーの人気が全国で急速に高まり、成人のRCファンのみならず、中学生や高校生といった学生たちの多くも夢中になってRCを走らせていた時代。当時を知らない私にとっても当時のカタログや動画などを見て、その時代のRCブームを少し知ることができました。
京商は2014年より、この当時の電動オフロードカーを再現したモデルを”ビンテージシリーズ”として、当時人気の高かった6車種を再販し、おかげさまで多くの方にビンテージオフロードカーを再び楽しんでいただく機会に恵まれました。
ここ最近、各社から少しずつリリースされてきたビンテージカーの影響により、再び当時のRCファン層が復活してRCを楽しむ声を聞くようになってきたことは、大変嬉しいかぎりです。80年代ブームを知らない私も当時の雰囲気を少しでも知るべく、このたび、2WDマシン”ターボスコーピオン”を製作した次第です。トップ画像のマシンが完成した私のターボスコーピオンです。
見た目が一番好きだという理由で選んだこのマシン。京商が直近10年くらいにリリースしてきた競技モデルの電動オフロードカーは、自分が参加するレース活動の一環として、これまでに多くのマシンを製作してきましたが、このビンテージシリーズの製作は今回が初めて。現代のマシンと構造も異なる点が多かったので、慎重に説明書を見ながらの組み立てです。
説明書には組み立て工程の部品がどのパッケージに含まれているかの記載もあるため、目的のパーツはすぐに探し出すことができました。
下の写真は全体の骨組みが完成したところ。この時点ではまだまだ先が長いですが、今まで組み立てた経験のない新鮮な製作工程はとても楽しいものです。
オフロードカーの走りのキモとなるデフとスリッパー部分。組み立ても細かい作業となるため、苦手な方も多いと思いますが、ターボスコーピオンのギヤデフとスリッパーは組み立て済みとなり、ここはとても助かります! ユニットにデフを取り付ければ完成!・・・なのですが、もちろん、そのまま組み立てても良いのですが、よりスムーズなスリッパー効果が得られるよう、オリジナルのちょっとした作り込みを施しました。まず、スリッパー部分をあえて分解します。それが下の写真。
画像下側に見える少し外径の大きいギヤが、スパーギヤとなります。メインモーター軸のギヤ(ピニオンギヤ)と噛み合うギヤとなります。そのギヤの中に納まる灰色の円盤型のシートが、スリッパーシートとなります。左側の黒いのがスリッパーパッドとなり、走行中にパッドとシートに負荷がかかった時に滑る機構となります。
このパッド接触部分は、走行中に摩擦により高温となるケースが多々あります。特に、最近のような夏場はより高温になりやすいです。それ自体は問題ないのですが、度重なる走行によりスリッパーシートが摩擦熱により表面が変化することで、固着してしまうことがあります。完全に固着してしまうとスリップ効果がなくなり、デフギヤに負担がかかってしまうことがあります。
スリッパーとデフは、定期的に作動チェックを含めメンテナンスするのが好ましいですが、細かい作業がゆえに、面倒であるのも事実。より長くスリッパー効果を持続させるべく、私はスリッパーパッド部分に潤滑用のシリコンオイルを少しだけ塗布して組み立てます。
上の写真のように、3か所に”点付け”で塗布します。あまり付けすぎるとオイル分が多すぎて、どれだけ締め込んでも滑ってしまい注意が必要です。”ほんの僅か”がポイントです。また塗布するオイルも比較的粘度の高い番手が好ましいです。
私は京商シリコンオイル♯60000~100000をよく使います。番手の大きいもの(硬い粘度)ほどスロットルを入れた時のレスポンスは良くなりますが、加速した時にリヤタイヤが少しスライドしやすくなるイメージがあります。このあたりは好みもあるかと思います。
注意事項として、ダンパーオイルに使われるような柔らかい番手(♯300~800)は適さないので、もしお試しいただく際は上記のような硬めのオイルでトライしてくださいね。この手法で長期間のスムーズな状態かつ、スリッパーパッドの消耗も穏やかになりオススメです。その他にもギャップの多いダート路面での走行時も、走らせやすくなるのも特徴です。製作工程における寄り道になりますが、作り込むこともホビーの醍醐味! 組み立てからじっくり楽しんでいただければと思います。
京商シリコンオイル ラインナップ http://rc.kyosho.com/ja/accessory/siliconeoil.html
上の画像はデフギヤミッションとモーターを組みつけたところ。だいぶカタチになってきました。現代の競技モデルオフロードカーは、樹脂系のパーツをふんだんに使っているのが主流です。また、走行性能を追求すべく各社構造やレイアウトも類似しているケースが多いのが現状です。
フロントサスペンションアーム、シャシーフレーム、ギヤボックスに至る部分、すべてにおいて金属が使われているターボスコーピオンは、私にとって本当に新鮮そのもの。存在感があり、いかにも本格RCカーといったイメージを感じてしまいます。これは所有感が高まりますね。今ではなかなか見ないデザインにも、とても驚きました。
さて、このターボスコーピオン。キットに付属されるパーツそのままで組み立てても良いのですが、どうせ走行するなら少しでも気持ちよく走らせてみたいもの。
ビンテージシリーズはリリース以降、各車種に使用可能なグレードアップするためのオプションパーツも数多くリリースしております。走行性能をアップさせるアイテムだけでなく、見た目をカッコ良く見せるためのビジュアルアップパーツもラインナップされていますので、その人に合った楽しみ方を探求できるのもオススメポイント!
私の場合は後々ダート路面での走行を計画していたため、低グリップであるダート走行をいかに安定して気持ちよく走行するには何を追加すれば良いのか・・・。じっくり考えた結果、ふたつのオプションパーツを組み込むことに決定!
そのひとつ目がボールデフです。
標準はギヤデフを採用しているのですが、私の経験上、ダート路面での走行はボールデフの方がトラクションがかかりやすく、安定した走りを実現してくれます。上の写真は組み立て完了状態のボールデフとなります。このボールデフ、実は2WD競技モデル”アルティマ”シリーズと互換性があり、取り付け可能です。
・No,UMW602 ボールデフセット ¥3,800(税別)
ひとつ上の走行性能を目指したいのであれば、ボールデフの組み付けだけでもポテンシャルアップできますので、よろしければお試しいただければと思います。
そして、もう1アイテムが前後ハイグレードショックセット。下の写真は取り付け後の写真です。レッドアルマイトのアルミパーツ採用でビジュアルも映えますね!
このショックセットは、10年ほど前に販売しておりました、これまた競技モデルの”アルティマRB5”シリーズと同じ仕様のものとなります。純レース仕様を視野に開発されたパーツなので、スムーズなストロークが当然イチ押しなのですが、日本国内生産によるこだわりの製品とあり、組み立て精度がとても高いことと走行後の分解&メンテナンス性に優れる点が高く評価されており、今でも多くのユーザーに親しまれているパーツです。私は迷うことなく装着しました!
・No,SCW013 HGショックセット 4入 ¥7,800(税別)
上記2アイテムのみ今回は投入です。これで走行性能が大きくアップしたでしょう。他にも取り扱い説明書には様々なオプションパーツを紹介しております! 性能はもちろん、自分好みにビジュアルアップも含め、皆さんの視点でこれは気になるといったパーツを取り付けてみるのが良いでしょう。
動力源となるモーターは、やっぱりルマン240モーターですね。赤い外装がマシンによく映えます。以前、オンロード耐久レースに使用した19.5Tブラシレスモーター(No,37031)を持っていたので搭載しました。複数参加した耐久レースでトータル8時間以上も走行しておりますが、まったく問題なく快調に回ります!
ESC(スピードコントローラー)は過去にレースで使用していたORION製のセンサードブラシレスアンプをチョイス。もう絶版品なので壊さないように大切に使用しています。
バッテリーの指定は本来ストレートパックタイプを推奨しておりますが、残念ながら私は持っていなかったため、こちらも電動オフロードレースなどで普段大切に使用しているORION製のショートリポバッテリーを今回は搭載してみました。普通に搭載しようとすると、全長が短いタイプのためボックス内に隙間が生じてしまいます。長さやタイプの異なるバッテリーを搭載するためのスポンジ製スペーサーがラインナップされていますので、こちらを使ってみたところ上手く収納できました。
・No,UM608 バッテリースペーサー ¥400(税別)
しめくくりとなるボディの仕上げ。デカールの貼り付け、アクセサリーパーツの組み付け、ドライバー人形を塗装して完成です。ドライバー人形を目立たせたかったので、胴体をイエロー、ヘッド部分を蛍光オレンジで塗装してみました。いずれもポリカ用カラースプレーで上手く塗装できました。
初のビンテージオフロードカーの製作がようやく完成して、ほっとひと安心。最初の走行は最近各地で広まってきている80年代を再現したオリジナルコースでぜひ走行したかったのですが、時間的な都合が取れず、今回は断念・・。
京商厚木から比較的近い神奈川県相模原市の”RCアドバイザーチャンプスタジアム相模原”さんのインドアオフロードコースでシェイクダウンしてみました。本格的な競技モデルのレースも定期的に開催されており、週末にはたくさんのオフロードフリークで賑わうスポットです。レース志向の方もいらっしゃいますが、ビギナーモデルのオフロードカーで楽しむ姿も目立ちます。そんななか、友人の協力をもとに走行時の動画を撮影しました。私個人のデジカメでの撮影ですので、見づらい部分もありますがご容赦下さい。
モーターのパワーを抑えているため、大きなジャンプセクションを飛び越えることはできませんが、驚くほどにコーナリング、加速がスムーズで走らせやすいことにビックリ! よく走ります!
同じスピード域でビンテージカー同士のレースが存在すれば、当時を振り返りつつ盛り上がるイベントになりそうですね。
さて、話は少し変わりますが、もし今回のように専用サーキットで走行を楽しみたいと思う方への情報となりますが、ターボスコーピオンのホイールは”2.2インチ”というサイズ規格となっております。競技モデルの大半はこのインチサイズが現在採用されており、1/10電動オフロードカー用の多くの海外製タイヤについても2.2インチ規格がほとんどです。京商で取り扱っている輸入ブランド”プロライン”でリリースしているタイヤも当然2.2インチを採用しているので、専門サーキットで本格的に走らせたいという方は、プロライン製のタイヤを装着することで、よりレーシーな走りを楽しむことも可能です。タイヤの貼り方自体も比較的簡単に製作できます。
サーキット走行の際に変更する場合は、そのコースによく適合したタイヤを調べて装着するのがベストです。ご興味のある方はぜひトライしてみてください。
現在の競技モデル、そしてビンテージオフロード。双方の楽しみ方と魅力を探求しつつ、今後も末永くオフロードカーを楽しみ、その経験を少しでも多くのRCファンにお届けしていきたいと思います。
本日のブログ担当はRC営業担当の坂本でした。最後までお付き合いいただきありがとうございます。
1コメント
2019.02.26 05:52