今回は京商カップのメイン車両であるV-ONE R4のオプションパーツを紹介したいと思います。
RCカー開発担当の宮崎です。
今月発売された『FTTワンウェイユニット』について解説していきます。
FTTとは『Front Torque Transfer One Way Unit』の略です。
カッコよく言ってますが、調整が出来るフロントワンウェイという意味です。
フロントワンウェイ自体は、もう何十年も前からR/Cカー(ラジオコントロール)に使われていますが、コーナーを曲がるのと立ち上がりに関しては素晴らしい性能を発揮するのですが、ブレーキの時にはフロントに制動力が伝わらないため不安定な挙動になってしまうのが弱点でした。
パワーが上がるほど扱いにくいので最近では一部を除きあまり使われなくなっていました。
『FTTワンウェイユニット』はシリコンオイルの硬度によってコーナーリング性能の調整が可能になっています。硬度が低いほど鋭いコーナーリング性能を発揮します。
同時にシリコンオイルの粘度を利用しブレーキ時の安定性を向上させました。
まず構成パーツが下の写真のパーツになります。
そして組みあがったものがコチラになります。
車体に組み付けるとこんな感じ
参考までにデフとの重量比較してみました。
ちょっと重くなってしまいますね。
でもその分を差し引いてもメリットはあると思います。
例えば機能面はもちろん、それ以外にもケースがアルミ製で放熱効果もあるので熱によるオイル粘度変化が少ない等です。
写真ではよく分からないのでイラストを使って構造を見てみましょう。
下のイラストの面で断面を切ってみます。
そうすると次のような断面になります。
ピンク色の線で示した部分に空間AとBがあり、ここに任意の硬度のシリコンオイルを塗布します。
ホイールシャフトが赤アルマイトのパーツ、青アルマイトのパーツと各々一体になっていてデフケースの内壁と内部のカラーそれぞれの間に塗布したシリコンオイルの抵抗によって調整します。
基本的なセッティグですが、ゴムタイヤ仕様の場合は#300000、スポンジタイヤ仕様の場合は#500000から始めると良いでしょう。
小さいコーナーが多いコースでは柔らかく、高速コーナーが多いコースでは硬くしていきます。
また特殊な使い方ですが、空間AとBで異なる硬度のオイルを入れる方法もあります。
例えばコーナー性能はそのままにブレーキ時の安定性を少し高めたいという場合に空間Aのみ硬くするやり方もあります。
組み合わせはたくさんありますが、色々試すのも面白いかもしれません。
ぜひトライしてみてください。
最後に組み立て時の注意するポイントです。
ケースとキャップの間をシーリングする大きなOリングの取付に関してですが、キャップ側にOリングを置いてから組むと良いようです。
こんな感じですね。
ケース側にも段差がありここに置くことも想定していたのですが、あまり意識せずに組むとOリングがズレてオイルが漏れることがありました。
なので、キャップ側にOリングを置いて組むことをオススメします。
取扱説明書にもこの方法で記載されているので注意して組み立ててください。
p.s.
ようやく長い梅雨が開けてテストが溜まっていたのもあって先週は炎天下で3日連続してR/Cをやりましたが、ホント危ないです。
夏休みに入ってR/Cを楽しむ機会もあると思いますが、屋外でR/Cを楽しむ場合はとにかく無理をせず、気を付けてください。
安全第一ですよ!
8/14追記
サポートドライバーのワンウェイに関するテスト・メンテナンスの動画を紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
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