『FMR21V SⅢ 電動化』の続き!

皆さんこんにちは!京商SS開発担当の浜崎です。


毎週金曜日は飛行機、ボート、ドローン関連の話題をお届けします。

前回のブログで紹介したFMR21V SⅢの電動化について、写真がほとんどなかったので改めてご紹介します。


そして、先日久しぶりにFV021 FMR21V SⅢ船体が入荷しました。

すでに7月の1回目の入荷分は完売してしまったので、もうすぐ来る2回目の入荷をお待おちください。


新しい船体を買って電動化にチャレンジする人に今回のブログが少しでも参考になればうれしいです。


では、さっそく始めましょう!!


前回ざっくりとモーター、ESC、バッテリー、プロペラについて説明しました。


あれから何度かテストを繰り返し、ヒートレース用のセッティングが出来上がりつつあります。


それらをどう組み付けているのか?


今回は内部のレイアウトについて写真付きでご紹介します。


使った船体は、昨年ヒートレースに21エンジンクラス(Aモノクラスといいます)に参戦していた予備艇です。

ドライブユニットやラダー周りのパーツはそのまま流用しました。

●ドライブユニット


アメリカスピードマスター社製の21用スティンガーブラケットを使いました。


(独特のチルト角調整機構と、プロペラまでの距離がロング仕様になっているのが特徴です。)


プロペラまでの距離が長いので、直進性が良くなります。


反対に走行中に姿勢が変わるとプロペラが水面に深く潜ってしまうので負荷が掛かりやすくなります。


ワイヤーシャフトは3/16インチ(4.76mm)です。日本で販売されているプロペラは5mmシャフト用が多いので、シャフトのプロペラ取付け部にテープを巻いて調整します。


ワイヤーシャフトはエンジンボートに比べるとずいぶんと短いです。


ワイヤーのカットは写真右上に写っているリューターでカットします。ニッパーや金のこでは切れないので要注意。

●ラダーユニット

こちらもアメリカスピードマスター社の21モノ用ラダーを改造して使っています。


スティンガーブラケットに合わせてラダーが少し後ろに来る様に延長して、障害物に当たった時にラダーと船体を守るためにキックアップ方式に改造しました。


ただし、通常走行時に水圧でラダーが上がってしまわない様にナイロンストラップで縛っています。クラッシュしたらこのナイロンストラップが切れてラダーが跳ね上がり、スプリングで戻ります。


リンケージの出口には防水ロッドブーツを被せます。

●モーターマウント&シャフトジョイント

色々探してみたら、40mmモーター用のマウントとフレームが売ってたのでそれをちょっと改造して使いました。


ワイヤージョイントはモーターシャフトが5mmなので、それに合った物を選びます。


私が用意したのは、9mmと10mmのスパナで締めこむコレット式で、しっかりとワイヤーシャフトを締めこむ事が出来ます。


これらを組み合わせて制作にかかります。

まず、エンジン艇から中身を全て外します。


その次に、大体の搭載位置を検証します。


重心位置は、今までの経験値でトランサムから265~285mmの間に印をつけてその範囲に来る様にしました。(最終的にはバッテリーの位置を前後にずらせる様にして調整します。)


ここからちょっとしんどい作業が有ります。

エンジン艇の場合、4インチ幅のベニヤフレームにエンジンマウントやメカボックスを搭載します。


そのフレームをそのまま残すとバッテリー搭載位置が制限されてしまうのと、メンテナンスがやり辛いので思い切って取ってしまいます。


簡単に書きましたが、このフレーム、船体内にFRPでガッチリ接着されていて簡単には取れません。


少しずつ地道にホビーのこ刃(細刃)などを船体とフレームの接着面に切り込みながらカットしていきます。


のこ刃の柄を10cmくらいに短く切っておくとやりやすくなります。


この作業に3日ほど掛かりました・・・。


くれぐれも力任せにベニヤフレームを捻じって外そうとしない様に!


次に、フレームが接着されていた面をサンドペーパーでキレイにして、せっかくなので船底の補強のためにカーボンクロスをポリ樹脂で1枚貼りました。


ポリ樹脂が完全硬化したところで、モーターマウントを船体に仮に当ててみます。


ラダーサーボ、モーターの位置が決まるので、ここでもう一度重心をチェックします。

バッテリーを結構前に乗せる感じになりましたが、大きめのバッテリーマウントを取り付けて、面ファスナーのバンドでバッテリーを固定する方式にしました。


バッテリーは6セル1本と3セル2本をつかえる様に船底の中心(一番深い所)から左右にマウントを固定しました。


モーターマウント、バッテリーマウントは衝撃で剥がれない様に変性シリコン系の速乾タイプの接着剤を使用しました。

ESCと受信機はモーターの横に配置し、受信機はタッパーに入れました。ここまでくるとほぼ出来上がりなのですが(写真は完成状態です)大事な物を作らなければなりません。


この船体はメインハッチ(キャビン)が無いので、自分で作ります。

ホームセンターで売っている透明なPET板(1mm厚)を切って曲げて作りました。


簡単な防水テープでシールする方式でハッチを固定します。


万が一を考えて、ハッチ内側には不沈材を接着しておきます。

さあ、これで完成です!

実際に走らせてバッテリー、モーターのコネクターを150A対応の物に変更しました。


これで夏場のレースでも安心です。

バッテリーには2本使いの場合用に直列コネクターも作りました。


今回はもともと走らせていた船体をベースにして改造しましたが、


新品の船体を使う場合は、ラダーやブラケットの取り付け穴を加工してください。


9月初めの予選会には多くの選手がエントリーしてくる事を期待して、もう少しセッティング

に励みます!


では。

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